【書評】「指示待ち部下」が激変する!『自分の頭で考えて動く部下の育て方』から学ぶ、上司が本当にすべきお膳立てとは?

「『それ、前も教えたよね?』と喉まで出かかったことがある…」 「良かれと思って指示を出しているのに、部下が指示待ち人間になってしまう…」 そんな悩みを抱えるリーダーは多いのではないでしょうか。

この記事でわかること: 今回は、部下の育成に悩むすべてのマネージャー・リーダーに突き刺さる一冊『自分の頭で考えて動く部下の育て方』の書評をお届けします。 結論から言うと、「答えを教える上司」をやめるだけで、部下は勝手に能動的に動き始めます。 本記事では、ITエンジニア・プロジェクトマネージャーとして現場で実践した気づきを交えながら、明日から使える部下育成のエッセンスを解説します。

【本質】「上司は神経、部下は筋肉」仕事を丸投げしてはいけない理由

指揮系統はあくまで上司にある

部下ができたからといって、自分の持っていた仕事を全てそのまま渡せるわけではありません。
本書を読んでハッとしたのが、「上司は神経であり、部下は筋肉である」という考え方です。
脳(指揮系統)はあくまで上司である自分が持つべきであり、「仕事を全部渡して楽になろう」と思うのは間違いだと気づかされました。

上司の本当の仕事は「お膳立て」と「環境整備」

人間は本来、働きたくないし動きたくない生き物です。しかし、「できないができるに変わる瞬間」の成長の高揚感は誰しもが持っています。 上司の役割は、部下のモチベーションを無理に上げることではありません。

  • 部下が嫌だな、やりにくいなと思う「マイナス要因」を除去してあげること
  • 潜在能力を発揮してもらうために「お膳立てをする雑用係」に徹すること

これらを意識し、1on1等で部下の「やらされ感」を減らして意欲を引き上げることが、結果として成果に直結します。

「前も教えたよね?」を無くす、答えを教えない「質問術」

なぜ部下は教えたことを忘れてしまうのか?

「前も教えたのになんで忘れるんだろう…」 これは能動的か受動的かの問題です。教える側(上司)は能動的なので覚えているのに対し、教えられる側(部下)は受動的になりがちだからです。 これを防ぐための究極の解決策は、「指示を出さないこと」。指示を出すから、指示待ち人間が製造されてしまいます。

タスクへの質問には、質問で返す

部下から「これどうすればいいですか?」と聞かれたら、簡単に答えを教えてはいけません。あえて質問で返すのです。 質問で返すことで、部下には以下のような変化が起きます。

  1. なぜ問題なのか、前提や情報を自分で整理し始める
  2. 答えを引き出すために、脳をフル回転させて「能動的」に考える
  3. 自分で必死に考えた結論だから、記憶に深く刻まれる

指示を出した方が一瞬は早くて楽です。しかし、グッと堪えて質問で返すことこそが、自走する部下を育てる最短ルートになります。

やりがちな3つのNGパターンと、明日から使える2つの学習定着テクニック

まず見直したい、教える側の3大NG

良かれと思ってやってしまいがちな、教える側のNGパターンがこちらです。

  • 一気に教えすぎ(キャパオーバーになる)
  • 自分でやってしまいすぎ(部下の成長機会を奪う)
  • 教えなさすぎ(丸投げで放置になる)

【明日からできる】説明を聞く態度を1秒で「能動的」に変えるコツ

部下に何かを説明する時、最後に「何か質問ある?」と聞いても、大抵「特にないです」と言われて終わりです。 これを防ぐために、説明を始める前にこうアナウンスしてください。

「今から説明するから、最後に必ず質問を2〜3個聞くね」

事前にこれを用意しておくだけで、部下は「質問を考えなきゃ!」という思考になり、聞く態度が強制的に「受動」から「能動」へと切り替わります。

部下の現在地を知る「学習の4プロセス」

本書では、学習のステップを以下の4つ(蔵・修・息・游)で表しています。 今、目の前の部下がどのフェーズにいるのかを見極めて接することが大切です。

  • 蔵(ぞう):覚えることに必死な時期(まずは型を覚える)
  • 修(しゅう):習ったことを繰り返し練習する時期
  • 息(そく):無意識に、息をするようにできるレベル
  • 游(ゆう):遊びに似た、新たなチャレンジを楽しめるレベル

「游(ゆう)」のレベルに達すれば、部下は自分で勝手に新しいチャレンジを見つけて楽しむようになります。

まとめ:目指すは指示なしで動く「究極のチーム」

最後にこの記事のまとめです。

  • 上司は神経、部下は筋肉。脳の役割(指揮系統)は渡さない
  • モチベーションを下げる要因を取り除く「雑用係」に徹する
  • 質問には質問で返し、部下の脳を能動的に動かす
  • 説明の前には「後で質問してね」と事前にアナウンスする

ついつい口を出したくなりますが、じっと堪えて「問いかける」ことで、部下は見違えるほど自分の頭で動くようになります。チームのマネジメントに悩んでいる方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。

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